奴隷とパートナーシップ

第三者の立場になる事により、見える事が山ほどある。
今日もそんな一コマを見つけた。

とある二人がやり取りをしている。一人は上司として部下のミスを責めている。ミスを責められて、責められて、責められて、部下は閉口していた。部下と言っても、その人にも部下がいるからそれほど年齢が低い部下ではない。

もちろんその部下の部下たちも閉口せざるを得ない。いずれにせよ、非建設的でありオフィスのムードを悪くするにはこれ以上に効力のあるコミュニケーション方法を私は知らない。

今回の話は、同じ会社でも上司が部下に下請け業務のようなものを委託している。だから、委託先の部下をこっぴどくしかるのである。始めは話だけを聞いていたので、委託先の部下が明らかに悪いという事実しか見えてこない。

しかし、その部下(自分に取っては年上)の人と今回、とある事がきっかけで始めて話をした。始めてというのは、この問題が半年以上も解決されないまま野放しにされていたからだ。

もちろん事情が自分にも良くわからなかったので、雲に隠れている部分をクリアにしていく。おおよそ全体像が掴めてくると、問題の解決策は驚くほど簡単だという事に気づく。

そしてその解決策をその部下の方に提案する。自分が提案したものは既に他の箇所で実行されてるらしい。今回の件は上司の人が頑に下請け業務委託先だからと、一歩も譲らないスタンスを取っていたため建設的な話にはならなかった。

要は上司が部下に仕事を任せ、文字通り丸投げ。部下がミスしたら全てその人の責任にする。俺は知らない、お前の仕事はお前がしっかりできる仕組みを作れ。極度に一方的なコミュニケーションは、時として社外にまで甚大な被害を及ぼす可能性がある。極めて危険な因子だ。

委託先だろうがお客だろうが、一緒に仕事をしたいと思わせないとシナジーは疎か、小学生でも出来る仕事もしてくれなくなる。もしくは出来ない状況や環境を作り出す。

ちょっと趣向を変えて、スターバックスに来る二人の客をイメージしてみよう。休日の午後3時、天気のいいおやつタイムはお店も込み合う。買い物袋を持った人、鶏冠のような変わった髪型で紫の色をしている人、PCを開いて仕事をするビジネスマン、白いワンピースでカバーのかかった小説に集中する女性。とにかく混んでいて、レジの前には10人くらいの列が出来ている。

そこへようやく注文が出来るレジの前に来た女性がやわらかな声で一言、「いつも美味しいアイスコーヒーをありがとう。忙しいくて大変なのに、頑張っている店員さんをみると元気が出るよ。また来ます。」店員さんはにっこりとして、その女性にコーヒーを手渡す。

次にレジの前に来た男性は低く重い声で一言、「一体何時になったらコーヒーが飲めるんだ?もう30分も、待たせ過ぎじゃないか?さっさと出してよ、アイスコーヒーで良いからさ。」俯きながら店員さんはお客にコーヒーを手渡す。

さてさて、どちらのお客さんに今日一番のコーヒーを煎れてあげたくなるだろうか?そんなのは聞かなくてもいいだろう。聞かなくても分かる事を、なぜか職場では出来ないのだ。これは何か職場に呪いでもかかっているのかと思うくらいひどい。

スタバに来た男性じゃ、いつまでたっても美味しいコーヒーは煎れてもらえない。悲しいかな、その男性はその事に気づいてすらいない。自分自身の振る舞いで、自分自身が損をしている事さえも。

客とお店という立場の違う関係だけれども、お店の人はお客の奴隷ではない。そこは勘違いしないでもらいたい。奴隷のような関係ではなく、パートナーなのだ。共にゴールに向かっていくものだと思う。

もしそれが嫌だったら一人でやる他に、方法は見当たらない。仕事をすると様々な人とパートナー関係になる必要がある。それを奴隷の関係のように扱ってしまうと、スタバの男性のようになるわけだ。

1+1=2と同じくらい簡単だと思う。どんな人に対しても、パートナーシップ精神でやり取りをしていきたい。

今日その部下の人に提案をした後、「ありがとう。君の仕事だったら、他の案件もやってあげたくなるね」と言われた。美味しいコーヒーを入れてくれそうだ。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です